カテゴリ:9月


2018/09/02
「「哀蚊」。そう書いて「あわれが」と読む。太宰治の短編小説「葉」の中に出てくる。「秋まで生き残されている蚊を哀蚊と言うのじゃ。蚊燻(かいぶ)しは焚(た)かぬもの。不憫(ふびん)の故にな」。  そう聞けば、哀蚊の「哀」にほだされて九月の蚊を打つ手もためらい、見逃してやるかという気にもなる。...